こんにちは、太田不動産の太田敬介と申します。
今回は住宅購入の資金に関することを書きます。
住宅購入を検討する際には、家にどれくらいのお金をかけるべきなのか、把握したうえで物件選びをするのが大事だと思います。
これから物件選びをする方は、ぜひ参考にしてみてください。
住宅ローン審査で落ちないために
家を購入する際には、住宅ローンを組むのが一般的だと思います。
ローンを組むためには金融機関の審査を受けて、承認をもらう必要があります。
つまり、ローン審査に通らないと家の購入が難しくなりますので、審査で落とされる要因となる事を書いて行きます。
・マイカーローン、クレジットカード、スマホ代の支払いが遅れた
ローンの審査をする際には、「信用情報」という、その人が利用しているローンの返済状況等のデータを調査されます。
そのため、ローンの返済遅れは審査に大きく影響します。
注意して頂きたいのは、クレジットカードでの買い物や、スマホを購入する際の分割払いも「ローン」であるということ。
深く考えずに滞納してしまって、住宅ローンが組めなかったという方を何人も見てきましたので、これらのローンは絶っっ対に滞納しないでください。
・勤続年数が1年未満
ほとんどの金融機関で、住宅ローンの受付対象は「勤続年数1年以上の方」という条件をつけています。
もちろん、勤続年数は長い方がより審査が有利になりますので、転職をお考えの際には、住宅購入のことも視野に入れて計画しましょう。
・個人事業主の方の場合、ちゃんと申告していない。
個人事業主の方は、ご自身で所得の申告をされていることと思います。
経費を増やして所得を下げることにより、節税する事ができますが、ある程度の所得がないとローン審査が厳しくなります。
とくに個人事業主は会社員より審査が厳しくなりますので、住宅購入は計画的に考える必要があります。
上記の事に該当しても、ローン審査に通る方法は、一応あります。
ですが、何千万円という大金を融資する住宅ローンにおいて、これらに当てはまらないという事は、金融機関からすれば当然の事だと考えられています。
ですので、家の購入を検討する際には、これらに当てはまらないことを最低条件として考えましょう。
住宅ローンの借入限度額
住宅ローンで借りられる金額を知るには、ローン審査を受けてみないと正確には分かりません。
ですが、一般的には年収の30%(または35%)がローン返済に充てられる限度額(返済負担率)と言われています。
この場合の年収とは、会社員の場合は↓の画像のような源泉徴収票という会社から毎年年末頃に支給される書類の「支払金額」の欄に記載された金額です。
個人事業主の場合は年収から経費などを差し引いた「所得額」が計算基準となります。
年収が仮に300万円の場合、300万円の30%=「90万円」が年間のローン返済限度額となり、月々に直すと、90万円÷12=「75,000円」が月々の返済限度額となります。
ちなみに、年収が400万円を超えている場合は、年収の35%が返済限度額(返済負担率)になると言われています。
では、月々の返済限度額が分かったところで、総額いくら借りられるのかを調べてみましょう。
↑のURLは住宅保証機構という会社が公開している住宅ローンのシミュレータで、こちらの「借入可能額の試算」から返済限度額を試算することができます。
年収300万円でシミュレーションしてみたら↓のようになりました。
返済方法は元利均等が一般的です。
返済期間は35年が一般的です。ただし、ローンを組める年齢の上限が80歳のため、45歳以上のご年齢の方は、返済完了時の年齢が80歳以下となるよう返済期間が短くなります。
そして、返済金利については注意が必要で、住宅ローンは1%前後の金利で融資されることが一般的ですが、ローン審査時には「審査金利」という実際の金利よりも高い金利で計算されることになります。
これは金融情勢の変化によって、住宅ローンの金利が上がった場合を想定して、高い金利で計算するという趣旨によるもので、今回は3%で試算していますが、実際に何%で計算されているのかは、公表されていませんし、おそらく金融機関によって異なります。
ですので、正確にはローン審査を受けてみないと分からないのです。
上記では、年収から大まかな借入限度額を試算する方法をご紹介しましたが、実際には「どんな会社にお勤めか」「退職の年齢、退職金の有無」「勤続年数」「家族構成」「購入する物件」など、金融機関や住宅ローンの種類によって、審査されるポイントは様々です。
前述のとおり、実際にローン審査を受けてみないと分からない部分が多いので、本格的に住宅購入を検討されるのであれば、まずローン審査を受けてみるのが良いと思います。
マイカーローン、教育ローンなどについて
次に、マイカーローンや教育ローン、奨学金といった住宅ローン以外の借入れがある場合についてですが
例えば、マイカーローンの借入れが「100万円」あり、月々「2万円」ずつ支払っているとしましょう。
上記で試算したとおり、月々の返済限度額が「75,000円」だった場合、75,000円のうち2万円はマイカーローンの返済に充ててしまっているので、住宅ローンの返済限度額は「55,000円」となり、新築を購入するのは難しい金額となってきます。
(年収が高く、予算に余裕がある方は、あまり気にしなくても良いかもしれません)
マイカーローンの「100万円」を住宅の予算に組み入れして返済してしまう、という方法も金融機関によっては可能です。
ですが、ただでさえ色々な費用が発生する住宅購入時に、他のローンが住宅購入の予算を圧迫するというのは、あまり好ましくない状態ですので、車の買換えや教育ローンのご利用、住宅購入のタイミングは計画的に考えましょう。
自己資金について
次に、家を購入する際にかかる自己資金についてです。
自己資金はいくらか必要になります。
というのも、家を購入する際には、「契約」→「住宅ローン本申込」→「住宅ローン融資実行」→「決済」という流れで取引が進んでいきます。
契約の時点で手付金(頭金)として売買代金の一部を支払う必要があり、ローンの本申込から融資実行がされるまでに、数週間の時間がかかりますので、手付金は自己資金で支払うということになります。
また土地を購入し、注文住宅を建築する場合には、土地の売買契約、建物の請負契約でそれぞれ手付金が必要になります。
手付金の額は代金の5%~10%が相場と言われていますが、そこまで自己資金がなくても家を購入できる場合もあります。
実際のところ弊社でも、全額ローンに近い形を希望されるお客様が多く、そういったお客様には、かなり安い手付金で契約をして頂いております。
その辺りは不動産会社によって違うところだと思いますので、全額ローンをご希望の場合は手付金の額を必ず確認しておきましょう。
ちなみに自己資金については、手付金が払える程あれば充分だと思います。
もちろん、自己資金があれば予算にも余裕ができますし、借入額を減らし返済を楽にすることもできるので、あるに越したことはないのですが
無理に自己資金から支払わずとも、住宅ローンは金利が安く、借入額に応じた所得税の減税が受けられるという制度もありますので、借入限度額で充分な予算が確保できるのであれば、必要以上に自己資金での支払いをする必要はないと思います。
ライフプランを考える
借入限度額を知ることで、おおよその予算を知ることができるできますが、「銀行が貸してくれる金額」=「自身が支払っていける金額」とは限りません。
そのため、ライフプランを考える必要があります。
ライフプランとは直訳で人生設計です。
例えば、「お子さんが進学する時の学費」「住宅購入の自己資金」「老後のための生活資金」など、人生にはお金が必要になるタイミングがいくつかあります。
そのために貯金をしていく必要があるのですが
毎月の生活費、定期的にかかる「家のメンテナンス費」「車の車検代」「火災保険の更新」「固定資産税」なども見越したうえで、自身の収入をどう割り振っていくか、いくらずつ貯金をしていくべきなのかを考えるのがライフプランです。
これによって自身の収入から住宅にかけられる金額が、いくらになるのか見えてくると思います。
特に、毎月の返済金額だけに目が行きがちな住宅関係費ですが、「固定資産税」「火災保険料」「メンテナンス代」などが定期的にかかってくる事も把握しておきましょう。
(家のメンテナンス代についての詳細は後日またブログで書きたいと思います。)
ライフプランの考え方についてはwebで検索すれば色々な情報が得られると思います。
(まあ、実際のところ、なかなかプラン通りには行かないので、あまり難しく考えず、余裕を持った返済計画を立てれば住宅に関しては充分かなと思います。)
物件選びの際には諸費用なども含めた金額で考える
例えば3000万円の予算を捻出したとしても、3000万円の物件を買えるわけではありません。
家の購入には様々な経費が掛かります。
実際に諸経費がいくらかかるかは、物件の条件によって違いますので、個別具体的に見積もりをとるしかありませんが、ここでは参考までに見積の例を紹介します。
こちらは、土地を買って注文住宅を建築したお客様の見積を参考に作成した例です。
弊社では注文住宅を請け負っておりませんので、弊社は土地の仲介業者という形で取引に関わりました。
住宅ローンを利用するには土地の購入時にも住宅取得のトータル予算を見積もる必要がありますので私が見積書を作成しました。
建築費などに関しては実際のハウスメーカーからの見積金額を参考に記載しております。
土地取得費については、物件によって上下水道負担金といった費用が掛かる場合もあります。
また、仲介業者を介さず売主と直接売買できる場合には、仲介手数料が不要となることもあります。
建物建築費については、見積の出し方が会社によって様々だと思いますが、追加工事費が増えていくと予算がギリギリになってしまうので、標準仕様がどういう物かを早い段階で確認しておきましょう。冷暖房設置費などが建物本体費に含まれているかも要チェックです。
付帯工事費について、この土地は水道が引込まれている土地でしたので、上下水道分岐工事が不要でしたが、水道がない土地に水道を引込もうとすると、それだけで30万円~50万円ほどの費用が発生します。
また、地盤改良工事費については、地盤調査の結果で工事が不要になる場合がありますが、土地購入時の時点では工事の要否が不明なので工事費を予算にいれております。
ローン諸経費、登記費用については、この見積の時点では確定していないものが多いので、少し高めの金額を記載しております。(東根市での土地購入だと大体このぐらいだと思います。)
借入条件や金融機関によっては住宅ローン保証料、事務手数料が30万円~100万円ほど必要になるケースがあります。
その他について、その他のローン、引越代、家具家電代などについても住宅取得資金として借入れることが可能です。
次に、建売の場合の諸経費見積を紹介します。
注文住宅に比べるとシンプルな見積になります。
すでに完成している物を買う分、取引自体もシンプルになります。
まぁ、外構工事費もいれると結構な金額になります。
こちらも売主と直接売買できる物件では仲介手数料がかからない場合があります。
(この見積だと仲介手数料だけで90万円弱なので、金額で比較する際には仲介手数料の有無は確認しましょう。)
色々な項目があって、一息に確認するのは難しいと思います。
ここでは「経費が結構かかるんだなあ」という事が分かって頂ければ充分です。
物件選びをする際に、気に入った物件が見つかったら経費の見積を不動産屋から作ってもらい検討するようにしましょう。
以上、住宅購入の資金に関する話でした。
こんな長い文章を最後まで読んて頂きありがとうございました。
次は家のメンテナンス費についてや、山形県で利用できる金融機関の比較について、ブログで書いて行きたいと思います。
ではまた✋
Comments